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Emunctator sorbens
ハナススリハナアルキ

Family Rhinocolumnidae
Genus Emunctator

(ツツハナアルキ科 ハナススリハナアルキ屬)

 ハナススリハナアルキは、ハイアイアイ諸島の中でも特に中心的な島であるハイダダダイフィ島にのみ生息する。体躯はおよそハツカネズミ程度の大きさである。通常、流れの緩い小川の岸辺で、水面上にはり出した植物の茎等に掴まって生活する。基本的に、いったん掴まったポジションから移動することはなく、その動作は極めて緩慢である。
 ハナススリハナアルキは、補食に際して自らが動き回ることはしない。彼らの採餌方法は非常に独特で、「釣り」に例えるのが相応しい。長い鼻から粘着製の捕獲糸を水中に垂らし、絡み付いた水生動物を引き上げ、長い舌で手繰り寄せて補食するのである。この、獲物を引き上げる様から、「ハナススリ」の呼称が与えられている。獲物は主に昆虫の類いであるが、時には小型の魚を捕らえることもある。
 ハナススリハナアルキの仲間のもうひとつの特徴は、先端に毒腺をもつ長い尾である。彼らは運動能力に乏しいため、採餌方法とともに外敵から身を守る方法も独自に発展させているようだ。ハナススリハナアルキは、コロニーを形成することが多く、外敵に襲われた場合には、コロニーのハナススリハナアルキが一斉に毒腺を有する尾を振り回して追い払う。
 また、このハナススリハナアルキは、長年その分類について議論されてきたナメクジハナアルキ科とツツハナアルキ科の中間的な特徴を持っており、ハナアルキの系統の研究上、重要な位置を占めるものである。
 Buffon(1954)は、同じツツハナアルキ科に属しながら、ハナススリハナアルキ属とミツオハナアルキ属では、鼻から分泌する粘液の成分に根本的な違いがあることを指摘し、これらツツハナアルキ科が多系統での進化を経たという解釈を示している。

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